戦略情報システム 講義の進め方について

担当:垂水浩幸
(信頼性情報システム工学科)

 

1. スケジュール(予定)

 

8/18(月)

8/19(火)

8/20(水)

8/21(木)

8/22(金)

AM
(10:00-12:00)

講義

講義

講義

演習

特別講義 I

演習

PM
(13:00-15:40)

講義

演習

演習

講義

演習

特別講義 II
この日は16:00まで

 

2. 場所

講義、特別講義:3301大講義室

演習:3101, 3102, 3201, 3202, 3301 をグループ別に自由に使用 (8/21は12時から3202 教室を他の講義で使用しますので時間までにあけてください。)。

 

3. 講義概要

¨         戦略情報システムとは何か、その歴史

¨         ビジネスモデルとは

¨         e-business を成功させるには、および成功事例

¨         インターネットによる社会の革新と企業戦略への影響

¨         電子コミュニティ

¨         SCM  (Supply Chain Management)

¨         CRM  (Customer Relationship Management)

¨         いわゆる、ビジネスモデル特許とは

¨         その他

 

4. 特別講義概要

特別講義1:

日時: 8月22日(金) 10:00〜11:30

講師: (株)高知ナビ 代表取締役 森澤 満 氏

タイトル:地域ポータルサイト(株)高知ナビの実践

 

特別講義2:

日時:8月22日(金) 15:00〜16:00

講師:(株)アクセス 山上俊彦 氏

タイトル:IT業界におけるビジネスモデルの過去と現在

 

5. 演習

概要

自分でインターネット上にウェブサイトを構築することを想定し、狙い、ビジネスモデル、勝利するための戦略について検討せよ。同分野の既存サイトについて調査し、他の同種のサイトに勝てる、ユーザの集まる、長く継続できる、魅力あるものの構築を目標とする。

 

考えられるテーマの例

¨         商業:ショッピングモール、オークション、旅行予約、ホテル、PC、本・CD・DVD、車、花、レストラン、その他何でも

¨         情報提供、ポータル、コミュニティ:就職、香川大学、高校同窓会、スポーツ、時刻表、グルメ、映画、漫画、懸賞、政治、音楽、歴史、女性、恋愛、ファッション、ニュース、技術情報、チャット、メーリングリスト、掲示板、その他.

¨         基本的にはPC向けサイトとするが、携帯電話向けのサイトでも可。

 

進め方

1.         初日に班分けを行う。一つの班は3〜5人程度で構成する。班構成は学生の自主的なグループ結成で構わないが、パートナーの見つからない場合は垂水がアレンジする。
○重要注意: 昨年、班分け後に講義に出席しなくなり、班の他のメンバーに迷惑をかけた学生が一部に見られた。中には班員が一人だけになり、演習ができなくなった学生も居た。受講意志のない学生は、班分けに加わらず早期に講義を放棄し、他の学生に迷惑をかけないようにして欲しい。逆に班分け後は必ず継続して出席すること。

2.         まず、班員が集まり、どんなものを作りたいか自由に討論し、記録する。討論することに意義があるので、必ず班単位で討論し、個人プレーを行わないように。

3.         次に、全員で手分けして既存のサイトを複数(一人最低一件)調査し、それぞれの特徴をつかむ。このとき、配布資料を活用して分析する。

4.         再度、全員で討論し、自分達が目標としたものが既にあるのかないのか、あるとしたらそれらと違う特徴を出すにはどうすればよいか、等を討論する。

5.         班で一つ、サイトの機能・構造、トップページのデザイン(概略で良い)を設計する。

6.         レポートを作成する。

 

備考

特に優れたアイデアがあった場合には、特許の出願も検討する。

 

6. 参考書

注意:これらの参考書は、他の多くの講義とは異なり、学問的なものとは言えない。つまり、教科書というほど権威があるわけではない。出版年は2002年くらいまでであり、内容の一部が古くなっているものもある。また、これらの参考書とは異なる考え方もある。どれも「必ず必要」という本ではない。ブームが去って、最近は書店でもあまり見かけなくなったので、興味のある人は発注購入してください。(昨年、購入者が少なかったので今年は生協には入荷を依頼していません。)

 

(1)「e 市場に仕掛ける!ビジネスモデル構築7つのコンセプト」 HRInstitute 著、野口吉昭 編、かんき出版、定価 1,800 円

演習(ビジネスモデルの立案、戦略分析)の参考書である。昨年までは購入をしてもらっていたが、古くなってきたので今年は重要なページをコピーして配布する。主としてチャート類の書き方が参考になる。

(2) 「e-ビジネス  企業変革のロードマップ」 ラビ・カラコタ著、渡辺聡監訳、ピアソン・エデュケーション、2,730円

CRM、SCM、ERPなど、企業情報システムに関する最新の話題の解説を含んでいる本である。

(3)「インターネットコミュニティ戦略」 石川直人+コミュニティ戦略研究会 著、ソフトバンク、定価 1,900

(1)を補完する内容として使えるであろう。商売に限らずインターネット上でのコミュニティの形成に関する内容で、ユーザグループ、チャット、掲示板などもとりあげられている。演習で、コミュニティ系のテーマを考えてみたい人には特に勧められる。一部を講義でとりあげる。

(4)「e-エコノミーの企業戦略」 内田和成著、PHP研究所、定価 1,300

著者はボストンコンサルティンググループの日本代表。経営学的な内容であり、参考になる読み物だが、演習には直接必要ない。講義の中では適宜内容をとりあげる予定。特に興味のある人には勧める。一部を講義でとりあげる。

(5)「図解でわかるインターネットマーケティング」 博報堂インターラクティブカンパニー 著、日本能率協会マネジメントセンター、定価 1,600 円

これは、(1)を補完する本である。(1)が e-business のビジネスモデルに焦点を当てているのに対し、顧客との接点となるウェブサイトに焦点を当てている。演習の結果をより良いものにしようと思う学生、今後ウェブサイトを立ち上げて何かビジネスを始めようとする学生には勧められる。演習の参考にもなるであろう。もし時間があれば講義でとりあげる。

(6)「図解100語でわかるサプライチェーンマネジメント」 今岡善次郎著、工業調査会、2200

サプライチェーンマネジメントに特に注目した本の一つ。企業管理者向けなので、企業経営か経理の知識がなければ読みにくいだろう。一部を講義でとりあげる。

(7) One to One マーケティングを越えた戦略的Web パーソナライゼーション」 トーマス・フォーリー著、西村淳子訳、日経BP社、2400

  CRM を中心に、Web の戦略について参考になりそうな本。ただし図がほとんどないので読みにくいかも。

(8) 「コンサルがあかす 儲かる Web 虎の巻」 加藤忠宏、杉山啓子著、ソフトバンクパブリッシング、1850円

(1) を補完する本で、ウェブビジネスの組み立て方について実質的に「儲かる」戦略を示している。

 

7. 評価とレポート

評価は、レポートによって行う。一人一編とし、以下の内容を記述する。

 

1.        自分の番号、名前

2.        他の班員の番号、名前

3.        選択したテーマ

4.        最初に討論した内容(どんなサイトを目指すか)。討論の結果だけでなく経過も記述すること。

5.        自分が調査した既存サイトについて分析結果を詳細に記述する。機能・特徴について文章で詳細に記述する。また、配布資料(参考書(1))に出ているビジネスモデル・プラットフォームとビジネスモデル・マトリックスを用いる。サイト名、URL、そのサイトを選んだ理由については必ず書くこと。

6.        他の班員が調査した既存サイトについて、簡単に(箇条書き)特徴を記載する。

7.        2回目の討論(自分達が目標にしているサイトと既存サイトの比較検討)の内容について詳細に記述する。

8.        目標とするサイトの特徴と設計について記述する。サイトのトップページおよび主なページの概略デザイン(手書きでも良い)、機能一覧、メニュー構造等について記述する。さらに、

(ア)   営利目的サイトの場合、ビジネスモデルの特徴について記述する。なお、ビジネスモデル・マトリクスは表形式にする必要はなく、箇条書き形式でよい。

(イ)   非営利目的サイトの場合、サイトに人を集める戦略や、情報サービスの戦略について記述する。非営利であっても、運転資金の確保は必要であるとの観点から、収入は必要である。また、より多くの人に利用してもらわなければ意味がないので戦略は重要である。ビジネスモデル・プラットフォームとビジネスモデル・マトリックスは、非営利でもあてはまる内容に絞って利用する。

(ウ)   なお、携帯電話向けサイトの場合は、画面遷移図をつけること。(講義資料参照)

9.        講義の感想(特に有益だった内容あるいは関心を持った内容を取り上げて要約し所感を述べることと、講義全体の感想を書くこと、1頁以上)、特別講義の内容まとめと感想(2件合わせて1頁以上)。なお、感想は講義を聞いて理解し、自らその内容について考察を加えたことの証明になるものであり、採点評価の重要ポイントである。感想(自分の意見)が書けないようでは講義内容を理解しているとは言えない。

10.    提出前に誤字脱字をよくチェックしておくこと。

(注意) 4,7,8 については同一班のメンバーのレポート内容は同様のものになっても構わない。ただし、それぞれ自分で書くこと。

 

締切:9月5日(金)(厳守。前期成績締切の関係で延ばせません。)

提出場所: ワープロで作成の上A4用紙に印刷し、学務係カウンターに提出。(他大学学生は、郵送可)